法定相続情報証明制度とは
~以下、法務省ホームページより引用~
現在,相続手続では,お亡くなりになられた方の戸除籍謄本等の束を,相続手続を取り扱う各種窓口に何度も出し直す必要があります。
法定相続情報証明制度は,登記所(法務局)に戸除籍謄本等の束を提出し,併せて相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を出していただければ,登記官がその一覧図に認証文を付した写しを無料で交付します。
その後の相続手続は,法定相続情報一覧図の写しを利用いただくことで,戸除籍謄本等の束を何度も出し直す必要がなくなります。
~以上~
要するに、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人の戸籍謄本などを法務局で認証してもらう事で、各提出先(銀行や証券会社等)ごとに何通もの原本を用意したり、コピーを用意したりしていた戸籍謄本が不要になる。という制度です。
これは、相続人の労力や費用を軽減するとても良い制度なのですが、現状では残念ながら韓国籍(外国籍)の方は利用ができません。
韓国籍(外国籍)の方が利用できないワケ
上記の引用文中の「戸除籍謄本等の束」という部分がミソで、あくまで「日本の戸除籍謄本の束の代わり」という認識なため、外国の戸籍にあたる韓国の除籍謄本や、韓国の家族関係証明書等は該当しないという取り扱いです。
ここからは我々の見解ですが、法定相続情報証明制度は法定相続人の有無に関して、法務局が認定をするものですが、よくわからない外国の戸籍等について、お墨付きを与える事はできないよ!ということでしょう。
ただでさえ取得が困難な、韓国の戸籍等にこそ適用してほしい制度ですが、法務局の職員が他国の法律を把握する事も難しいでしょうし、致し方ありません。
帰化した方や、相続人に韓国籍が含まれる場合も利用不可
前述の通り「日本の戸除籍謄本の束の代わり」であるため、必要書類の中に韓国戸籍が含まれる(日本の戸除籍謄本以外が含まれる)場合は、適用不可ということです。
帰化をされる方の中には、ご親族の中に相続でご苦労された方を見て、「帰化をすればそういった苦労がなくなる!」という面で帰化を考えられる方もいらっしゃいます。
実際は、この法定相続情報証明制度の有無にかかわらず「帰化をするまで(日本の戸籍謄本ができるまで)の韓国の戸籍等」が必要なため、相続に関しての労力は変わりません。
ただ、日本の法律が適用されること。帰化の時点である程度の調査を行っているため、一から戸籍調査が不要である。などのメリットはございます。
当人からすれば「帰化の際にあれだけ苦労して戸籍一式を用意したのに、また必要になるのか!同じ法務局(法務省)なのに!」と思いますよね。我々もお思います。しかし帰化の際に戸籍を提出する意味合いは「日本の戸籍を作るため」であり、何を確認しているかというと「父母との続柄・身分事項」なんですね。
長男なのか次男なのか、嫡出子なのか非嫡出子なのか。という部分です。本人の下の代、相続時における相続人には関与していない。ということなのでしょう。